こんにちは、GORIです。
オリーブの木を選ぶとき、「品種なんてどれも同じでしょう?」と思われがちです。ところが葉を並べてみると、細くとがった葉もあれば、幅が広くて丸みのある葉もある。オリーブは、品種で表情がまったく変わる木です。
今日は、丸みのある葉が魅力の品種「ルッカ」のオリーブ盆栽を例に、ルッカの特徴、ほかの品種との違い、そして10月のいまの季節に知っておきたい「実」と「剪定」の話をお伝えします。
冬の過ごし方は前回のGORI図鑑「オリーブ盆栽 ネバディロブランコ」に、オリーブの歴史や古木の話はGORI日記「オリーブの木 古木、歴史」に書きました。あわせてどうぞ。
オリーブ「ルッカ」とは?
ルッカ('Lucca')は、オリーブ(学名 Olea europaea、モクセイ科オリーブ属の常緑樹)の品種のひとつです。名前は、イタリア・トスカーナ州の城壁に囲まれた古都ルッカに由来するとされ、日本でも香川県や小豆島など、オリーブの産地で広く育てられています。

ルッカの特徴は、大きく3つです。
- 葉が丸みを帯びて幅広い:細長くとがった葉の品種にくらべ、やわらかく明るい印象になります。葉がややねじれるように付くのも個性です。
- 枝の伸びが早い:新しい枝を勢いよく伸ばすので、剪定で形をつくる楽しみが大きい品種です。
- 1本でも比較的実がつきやすい:実からオイルを搾る品種として知られ、1本でも実がつきやすいといわれます。

ルッカとほかの品種の違いは?葉で見分ける
オリーブの品種は、まず葉の形を見るのがいちばんの近道です。代表的な品種で比べてみます。
| 品種 | 葉の形 | 印象 |
|---|---|---|
| ルッカ | 幅が広く、丸みがある | やわらかく明るい。葉の量感が出る |
| ネバディロブランコ | 細めで、枝先に細やかに茂る | 繊細で軽やか。樹冠に密度が出る |
| シプレッシーノ | 細長く、裏の銀色が目立つ | 枝が上に伸び、すらりとした樹形 |
どれが良い・悪いではなく、置く場所や好みの雰囲気で選ぶのがおすすめです。やさしい雰囲気にしたいならルッカ、すっきり見せたいなら細葉の品種、という選び方もできます。
原産地はどんなところ?
オリーブのふるさとは、スペイン、イタリア、ギリシャ、トルコ、北アフリカへと続く地中海沿岸です。夏は雨がほとんど降らず強い日差しが続き、冬は穏やかで雨が多い。この「夏の乾燥と冬の雨」の気候が、硬い葉や、ゆっくり太りながら固くなる幹をつくりました。

ルッカの名前の由来であるトスカーナは、なだらかな丘にオリーブ畑とぶどう畑が広がる、イタリアでも指折りのオリーブオイルの産地です。日当たりと風通しを好み、蒸れと過湿を嫌うオリーブの性格は、この乾いた丘の気候から受け継いだものです。
10月はオリーブの実の季節。盆栽にも実はなる?
秋は、オリーブの実が育ち、緑から紫、黒へと色づいていく季節です。産地では、実の熟し具合を見ながら秋から冬にかけて収穫が進みます。
ルッカは1本でも比較的実がつきやすいといわれる品種ですが、実つきは株の大きさや、その年の花の咲き具合に左右されます。盆栽は樹の姿を楽しむ仕立てなので、実は「ついたらうれしいおまけ」と考えるのがちょうどいいです。実をより楽しみたい場合は、別の品種のオリーブを近くに置くと実つきがよくなります。くわしくは「オリーブに実をつける方法」をご覧ください。
成長が早いルッカは、剪定でどう変わる?
枝の伸びが早いルッカは、剪定するほど姿が整っていく品種です。伸びた枝を切り戻すと、切ったところの下から新しい枝が分かれて出てきます。これを繰り返すことで、枝数が増え、樹冠がこんもりと密になっていきます。
- 剪定の適期:春(3月頃)が中心。秋の今は、飛び出した枝を軽く整える程度にとどめます。
- 切る場所:伸びすぎた枝、内側に向かって混み合う枝、真上に勢いよく伸びる枝を優先して切ります。
- 切りすぎない:一度に半分以上の葉を落とすと株が弱ります。少しずつ、何年かかけて形をつくるのが盆栽の楽しみです。
オリーブ盆栽の「根上がり」とは?
今回のルッカの盆栽で、いちばんの見どころは根元です。土の上に根を見せる仕立てを、盆栽では「根上がり」と呼びます。この株は、幹の脇から太い根が一度地上に持ち上がり、弧を描いてから土へ潜っていく、珍しい形をしています。

表に出た根は樹皮のように固くなっていて、土の中には細い根がしっかりと張っています。こうした根の形は狙って作れるものではなく、長い年月の中で生まれた、その株だけの表情です。
オリーブ盆栽 ルッカの育て方
| 植物名 | オリーブ ルッカ(Olea europaea 'Lucca') |
|---|---|
| 原産地 | イタリア・トスカーナ(オリーブの原産は地中海沿岸) |
| 置き場所 | 風通しの特によい、日に当たる室内か、屋外 |
| 水やり | 土の表面が乾いたらしっかりと。鉢植えなので数日間の完全な水切れは避ける。鉢底に水を溜めない |
| 耐寒性 | -7℃以上(今回の株) |
| 剪定・植え替え | 春(3月頃)が適期 |
| 苦手なもの | 日照不足、蒸れ、空気のこもる場所 |
よくある質問(FAQ)
Q. オリーブのルッカはどんな品種ですか?
A. 葉が幅広く丸みを帯びた品種です。枝の伸びが早く、1本でも比較的実がつきやすいといわれます。名前はイタリア・トスカーナ州の古都ルッカに由来するとされています。
Q. ルッカとネバディロブランコの違いは?
A. いちばんの違いは葉の形です。ルッカは丸みのある幅広の葉、ネバディロブランコは細めの葉が細やかに茂ります。ルッカはやわらかく、ネバディロブランコは繊細な印象になります。
Q. ルッカは1本でも実がなりますか?
A. 1本でも比較的実がつきやすい品種といわれます。ただし実つきは株の大きさや花の咲き具合に左右されるので、確実ではありません。別の品種を近くに置くと実つきがよくなります。
Q. オリーブ盆栽は初心者でも育てられますか?
A. はい。オリーブは寒さにも乾燥にも比較的強く、樹木の盆栽のなかでは育てやすい種類です。大切なのは「日当たり」と「風通し」の2つです。
Q. 枝がどんどん伸びてきます。切っても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。ルッカは枝の伸びが早い品種なので、切り戻すほど枝数が増えて密になります。本格的な剪定は春(3月頃)に、秋は飛び出した枝を軽く整える程度にしてください。
Q. 室内でも育てられますか?
A. 日がよく当たり、風通しのよい窓辺なら育てられます。日光不足になりやすいので、ときどき屋外やベランダに出してあげるのがおすすめです。
Q. オリーブの花言葉は?
A. 「平和」「知恵」などとされています。古くから平和の象徴とされ、新築祝いや開店祝いの贈り物にも選ばれています。
GORI STORE TOKYOのオリーブ盆栽 ルッカ
今回GORI STORE TOKYOに入荷したのは、香川県のオリーブ専門の生産者・創樹から届いた、約8年かけて仕立てられたルッカの盆栽です。丸みのある葉がたっぷりと茂り、一本の幹から枝が伸びやかに広がります。そして根元には、地上で弧を描く太い根。マイナス7℃まで耐える強い株です。高さ約40cm・幅約30cm、受け皿付き。

この株は、根元を見てください。こんな根は狙って作れるものではありません。丸い葉のやわらかさと、根の力強さ。その組み合わせに惚れました。
→ 商品ページ:オリーブ盆栽 ルッカ(創樹・約8年仕立て・一点物)
→ オリーブ盆栽 ネバディロブランコ(定植約8年・一点物)
→ オリーブの木・オリーブ盆栽一覧
※在庫1点限りの一点物です。売り切れの際はご容赦ください。
品種を知ると、オリーブはもっと面白くなります。丸い葉のルッカで、小さな地中海の風景を楽しんでください。
GORI