ガーベラが4割高──婚礼シーズンと日照不足で洋花の相場が上がった10月、花屋は仕入れと値段をどう考えるか

ガーベラが4割高──婚礼シーズンと日照不足で洋花の相場が上がった10月、花屋は仕入れと値段をどう考えるか

こんにちは、GORIです。

10月の市場で、ガーベラの値段がぐっと上がりました。日本農業新聞が伝えていたのは、10月7日の日農平均価格で、ガーベラが平年より44%高い1本69円になったというニュースです。バラやトルコギキョウも高い。見出しは「ガーベラ4割高」。花を仕入れる側の私にとっては、毎朝の相場表で肌で感じていた変化が、きちんと記事になっていました。

花の値段は、野菜と同じように天気で動きます。そして、私たちが店でお客様にお出しする花束の値段も、その相場の上に乗っています。今日は、この10月の相場の話を、仕入れる側から少し丁寧に書いてみます。

何が起きたのか──ガーベラ44%高、バラ34%高、トルコギキョウ17%高

記事が伝えていた数字を整理します。日農平均価格は、各地区の大手7つの卸売会社のデータを集計した価格で、「平年」は過去5年の平均です。

  • ガーベラ:1本69円、平年比44%高
  • バラ(スタンダード):1本129円、平年比34%高
  • トルコギキョウ:1本210円、平年比17%高
  • ダリア:1本181円、平年比5%高(入荷は前年並み)

いずれも10月7日の価格です。10月10日から12日の3連休を前に、洋花の相場が上がっていました。7卸の取引量は平年より2割ほど少なく、相場は4営業日続けて上がったそうです。

なぜ高いのか──「結婚式の注文」と「育ちの遅れ」が重なった

理由は二つ、記事にははっきり書かれていました。

一つは需要の側です。10月は、気候のよい秋の結婚式シーズン。会場を飾る装花やブーケには、ガーベラ、バラ、トルコギキョウといった洋花がたくさん使われます。市場では、婚礼のための注文が強まっていました。

もう一つは供給の側です。卸売会社の大田花きは、日照不足で暖かい地域の産地の生育が1〜2週間遅れているとみていました。バラは生育の遅れに加えて、国産の作付けそのものが減っていて、円安で輸入も少ない。トルコギキョウは、主な産地の北海道や東北が低温で、やはり生育が遅れていました。同社は、入荷量はすぐには増えず、高めの相場が続くと見ていたそうです。

花は工場で作るものではありません。お日さまが足りなければ、咲くのが遅れる。当たり前のことですが、その当たり前が、そのまま値段に表れます。灯油が高くなってチューリップ1本の光熱費が上がった話も、銀の値上がりで切り花の品質保持剤が高くなった話も書きましたが、花の値段は、天気と燃料と資材と人手の上に、いつもぎりぎりで成り立っています。

仕入れは高い。でも、店頭は動かない

この記事でいちばん花屋らしい一文は、最後のところにありました。洋花全体では婚礼の注文が強い一方で、悪天候の日が多く、店頭の動きは鈍い。業者は在庫を抱えていて、週末の天気が崩れなければ動きが出てくる、という見立てでした。

これは、花屋の経営にとってはなかなか苦しい状況です。結婚式の装花は、何カ月も前に内容と金額をお約束しています。仕入れ値が上がったからといって、当日に値段を変えることはできません。一方で、雨の日が続くと、店に花を買いに来てくださる方は減ります。仕入れは高く、売れ行きは鈍い。 その間に挟まれるのが、10月の花屋です。

私たちもブライダルの装花を手がけているので、この時期は毎朝、相場表とにらめっこです。ガーベラが高ければ、同じ色味で前年並みのダリアを主役に回せないか。バラの本数を少し減らして、そのぶん秋の枝ものや実ものでボリュームを出せないか。お約束したイメージは崩さずに、その日いちばん良い状態の花で組み立て直す。相場が荒れるときほど、花屋の腕が問われます。

花を買う方へ──「予算」と「好きな色」を教えてください

最後に、花を買ってくださる皆さまへ、花屋からのお願いを一つ。

相場が高いときは、「ガーベラで」「バラで」と花の名前で決めるより、「この予算で」「この色の雰囲気で」と伝えていただくほうが、ずっと満足いただける花束になります。花屋はその日の市場で、値段のわりに状態が良い花、旬を迎えている花を知っています。高い花を少なく入れるより、旬の花をたっぷり使うほうが、見た目も持ちも良くなることが多いのです。

9月の相場見通しの記事でも書きましたが、相場は季節の行事と天気で毎月表情を変えます。記事にあったのは10月上旬の相場で、この記事が出る頃には少し落ち着いているかもしれません。けれど、花の値段の裏には、いつも空の機嫌と、産地の方々の苦労があります。そのことを少しだけ思い出しながら、花を選んでいただけたらうれしいです。

よくある質問(FAQ)

Q. 2026年10月、ガーベラはどれくらい値上がりしたのですか?
日本農業新聞によれば、10月7日の日農平均価格で、ガーベラは1本69円、平年(過去5年平均)より44%高でした。バラ(スタンダード)は34%高の129円、トルコギキョウは17%高の210円、ダリアは5%高の181円です。

Q. なぜ10月に花の値段が上がったのですか?
秋の結婚式シーズンで装花用の注文が強まった一方、日照不足や低温で産地の生育が1〜2週間遅れ、入荷が平年より2割ほど少なかったためです。バラは国産の作付け減少と、円安による輸入の減少も影響していました。

Q. 花の値段は、花屋で買う花束の値段にもすぐ反映されますか?
市場の相場は毎日動きますが、花束の値段の決め方は店ごとに違います。予算を先に決めて、その範囲でその日の花を組む店も多いので、相場が高い時期は「予算と好きな色」を伝えて、花屋に選んでもらうのがおすすめです。

Q. 相場が高いとき、花屋はどう工夫しているのですか?
同じ色味で値段の落ち着いている花に置き換えたり、枝ものや実ものでボリュームを出したりして、お約束したイメージを保ちながら組み立て直します。旬の花を上手に使うのが、花屋の腕の見せどころです。

ガーベラ1本69円。数字だけ見れば小さな値上がりですが、結婚式の装花なら何百本と使います。その一本一本が、天気と産地の苦労を背負って市場に届いています。今日も相場表を見ながら、その日いちばん良い花を選んで、GORI STORE TOKYOの店先に並べます。

今日も、あなたの一日に緑と花がありますように。

GORI

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