コーヒーは2.5倍、訪日客は28倍、女性の平均寿命は87歳──データで見る「世界経済・日本経済」の歩みと、花屋が長い目で考えること

コーヒーは2.5倍、訪日客は28倍、女性の平均寿命は87歳──データで見る「世界経済・日本経済」の歩みと、花屋が長い目で考えること

こんにちは、GORIです。

1980年、喫茶店のコーヒーは1杯247円でした。2025年は617円です。訪日外国人は131万人から3687万人へ、およそ28倍になりました。女性の平均寿命は78.76歳から87.14歳へ延びています。三菱UFJアセットマネジメントが作成した資料「長期視点で見よう データで見る『世界経済・日本経済』の歩み」を読んで、数字を長い目で並べると、ふだんの景色がまったく違って見えることに驚きました。

先にお断りしておきます。私は花屋で、金融の専門家ではありません。この記事は、株や投資信託など特定の金融商品をおすすめするものではありません。今日書きたいのは、「長い目で見る」ということそのものの話です。

世界の株と名目GDPは、この38年でどう動いたのか?

資料の前半は、1987年末から2030年までのグラフです(出所:Bloomberg、IMF World Economic Outlook Database April 2025のデータを基に三菱UFJアセットマネジメント作成。全世界株式はMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス〔配当込み・円換算ベース〕で、1987年末=100として指数化。名目GDPは一部予測値を含む)。

  • 世界の名目GDPは、グラフの目盛りで読むと、1987年の20兆米ドル弱から、2020年代には100兆米ドルを超えるところまで来ています。IMFの予測では、2030年に向けてさらに増えていく見込みです。
  • 全世界株式は、1987年末を100とすると、グラフの目盛りで2000を超えるところ(20倍以上)まで上がっています。
  • その途中には、2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマン・ショック、2015年のチャイナ・ショック、2020年のコロナ・ショックと、大きな下落が何度もありました。それでも、グラフは長い目で見ればおおむね右肩上がりです。
  • 一方で、日本の名目GDP(ドル建て)の線は、38年間ほとんど横ばいです。世界全体が大きく膨らむなかで、日本の線は地面をはうように続いています。

資料は「全世界株式は世界経済の成長にともなっておおむね右肩上がりに成長してきた」とまとめています。ただし、これは過去の話です。これから先も同じになるとは限りません。そこは、はっきり書いておきます。

日本の暮らしは、10年ごとにどう変わったのか?

資料の後半は、1980年代から2020年代までの日本の暮らしを、5つの数字で並べた表です。

平均寿命(出所:厚生労働省「令和5年簡易生命表」)

  • 1980年:男性73.35歳/女性78.76歳
  • 1990年:男性75.92歳/女性81.90歳
  • 2000年:男性77.72歳/女性84.60歳
  • 2010年:男性79.55歳/女性86.30歳
  • 2023年:男性81.09歳/女性87.14歳

物価上昇率(出所:総務省統計局「消費者物価指数〔生鮮食品を除く総合〕」)

  • 1980年→1990年:+22.3%
  • 1990年→2000年:+9.3%
  • 2000年→2010年:−3.0%
  • 2010年→2020年:+4.8%
  • 2020年→2024年:+7.9%(わずか4年で)

喫茶店のコーヒー1杯(出所:総務省統計局「小売物価統計調査」東京都区部)

  • 1980年:247円 → 1990年:351円 → 2000年:418円 → 2010年:411円 → 2025年6月:617円

タクシーの初乗り運賃(出所:同調査と東京ハイヤー・タクシー協会)

  • 1980年:380円 → 1990年:540円 → 2000年:660円 → 2010年:710円 → 2025年:500円
  • ※2017年から、初乗りの距離が約2kmから約1kmに変わっています。

訪日外国人数(出所:日本政府観光局「日本観光統計データ」)

  • 1980年:131万6632人 → 1990年:323万5860人 → 2000年:475万7146人 → 2010年:861万1175人 → 2024年:3687万148人

数字を並べると、何が見えてくるのか?

私が面白いと思ったのは、次の4つです。

1つめは、コーヒーの「止まっていた10年」です。 2000年の418円が、2010年には411円。10年間、ほとんど値段が変わっていません。物価の欄を見ると、この時期だけマイナスです。いわゆるデフレの時代でした。そこから15年で617円。止まっていた時計が、ここ数年で一気に動き出したことが、コーヒー1杯でよくわかります。

2つめは、タクシーの500円です。 数字だけ見ると、2010年の710円から「値下がり」しています。でも注には、2017年から初乗りの距離が約2kmから約1kmになったと書いてあります。乗れる距離が半分になって、500円。数字は、注まで読まないと本当の意味がわからない。これは経営の数字を見るときも同じだと、あらためて思いました。

3つめは、訪日外国人の28倍です。 1980年の131万人が、2024年は3687万人。東京の街を歩いていても、海外から来られた方をたくさん見かけます。GORI STORE TOKYOの売り場は「植物を通して世界を旅する」がテーマです。世界中から日本に人が来る時代に、日本にいながら世界の植物に出会える場所でありたい。そう思わせてくれる数字でした。

4つめは、平均寿命です。 女性の平均寿命は、1980年の78.76歳から、2023年には87.14歳になりました。米寿(88歳)が、平均寿命のすぐそこまで来ているということです。

人生が長くなると、花屋の仕事はどう変わるのか?

ここからは、花屋としての私の受け止めです。

寿命が延びるということは、お祝いの節目が増えるということでもあります。還暦(60歳)、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、米寿(88歳)、卒寿(90歳)。昔は「長生きの特別なお祝い」だった節目が、いまは多くの家族が迎えるものになりました。還暦の赤、古希・喜寿の紫、米寿の黄色や金茶。長寿のお祝いには、それぞれ色の意味があります。花は、その色をいちばん素直に届けられる贈り物だと思っています。

一方で、正直に書いておかなければいけないこともあります。世界経済は右肩上がりでも、花の市場は3年連続で縮小しています。銀の値上がりで、切り花の品質保持剤が2〜5倍になったという話も書いたばかりです。コーヒーが617円になった時代に、花の仕入れ値も運賃も人件費も、同じように上がっています。全体が伸びていても、自分の業界が伸びているとは限らない。そこから目をそらさないことも、長い目で見るということだと思います。

花屋が「長い目」から学べることは何か?

このグラフを見て、私がいちばん強く感じたのは、植物を育てるのとよく似ているということでした。

観葉植物は、毎日見ていても伸びたかどうかわかりません。冬には止まったように見えるし、葉を落とすこともある。でも、1年前の写真と並べると「こんなに大きくなったのか」と驚きます。4度のショックで大きく下がっても、38年で見れば右肩上がりだったグラフと、同じ形です。

商売も同じだと思っています。コロナのとき、結婚式やイベントが次々と中止になり、花の業界は大きな打撃を受けました。それでも、花を贈りたいという気持ちそのものは、なくなりませんでした。目先の上がり下がりに振り回されず、10年、20年のものさしで、何を積み上げるかを考える。今日の資料は、その当たり前をあらためて教えてくれました。

以前、個人向け国債の利率が過去最高になった話も書きました。お金の話は、どうしても「いま、どれが得か」になりがちです。でも、植物と同じで、大事なのはきっと時間を味方につけることなんだと思います。

よくある質問(FAQ)

Q. 全世界株式は、この38年でどれくらい上がったのですか?
三菱UFJアセットマネジメントの資料では、1987年末を100とした全世界株式(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス、配当込み・円換算ベース)が、グラフの目盛りで2000を超えるところまで上がっています。途中にはITバブル崩壊、リーマン・ショック、チャイナ・ショック、コロナ・ショックといった大きな下落がありました。過去の動きが将来も続くとは限りません。

Q. 喫茶店のコーヒー1杯の値段は、どう変わってきましたか?
総務省統計局「小売物価統計調査」(東京都区部)によると、1980年247円、1990年351円、2000年418円、2010年411円、2025年6月617円です。2000年代はほぼ横ばいで、その後大きく上がりました。

Q. 日本の平均寿命は、どれくらい延びましたか?
厚生労働省によると、1980年は男性73.35歳・女性78.76歳、2023年は男性81.09歳・女性87.14歳です。40年あまりで、男女とも8年前後延びています。

Q. 訪日外国人は、どれくらい増えましたか?
日本政府観光局によると、1980年の131万6632人から、2024年は3687万148人になりました。およそ28倍です。

Q. この記事は投資をすすめていますか?
いいえ。特定の金融商品をおすすめするものではありません。花屋として「長い目で見る」ことの大切さを考えた記事です。投資の判断は、ご自身で、必要に応じて専門家にご相談ください。

コーヒー1杯の値段にも、タクシーの初乗りにも、平均寿命にも、その時代の暮らしが映っています。数字は冷たく見えますが、長い目で並べると、ちゃんと人の物語になっている。花も同じで、一本の花束の向こうには、その人の節目があります。長くなった人生の、たくさんの節目に、花を添えるお手伝いをしていきたい。花屋として、そう思います。

今日も、あなたの一日に緑と花がありますように。

GORI

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