こんにちは、GORIです。
ばっさりと切れ込んだ葉が、放射状に広がっていく。今日ご紹介するセロームは、一枚一枚の葉がグラフィックアートのような植物です。ではなぜ、あんなに深く切れ込んでいるのか。あれはデザインではなく、生きるための理由があります。そこから話を始めさせてください。
セロームとは?
セロームは、学名 Thaumatophyllum bipinnatifidum、サトイモ科の常緑植物です。モンステラやポトス、アンスリウムと同じサトイモの仲間です。
この植物は、名前が変わったことで少しややこしいところがあります。整理しておきましょう。
- セローム:流通名。旧学名 Philodendron selloum の selloum から。
- ヒトデゴカズラ(人手扉芳):和名。切れ込んだ葉が人の手のように見えることから。
- フィロデンドロン・セローム:長らく使われてきた呼び方。かつてはフィロデンドロン属だったためです。
- トーマトフィリウム:現在の属名。フィロデンドロン属から別属に移されました。
つまり、「セローム」も「フィロデンドロン・セローム」も「ヒトデゴカズラ」も、すべて同じ植物です。お店によって表記が違うのは、この経緯があるからです。
下の写真が、実際の葉です。

なぜ、葉がこんなに切れ込んでいるのか?
答えは原産地にあります。
セロームが自生するのは、ブラジル南部からパラグアイにかけての、雨の多い森。大西洋岸の森林地帯や川沿いの斜面で、年間を通して湿り気のある場所です。

背の高い木々が層をなす森の下では、地面に届く光は限られています。だから葉を大きく広げて、できるだけ多くの光を受けたい。しかし、広い一枚板の葉は、強い雨や風をまともに受けて破れてしまう。下の葉にも光が届かなくなる。
そこでセロームが選んだのが、広げながら、深く切れ込むというかたちでした。切れ込みがあれば風が抜ける。雨も抜ける。下の葉にも木漏れ日が届く。あのグラフィックな形は、飾りではなく、雨の多い森で生きるための答えなのです。
この成り立ちがわかると、育て方も見えてきます。強い直射日光よりやわらかな光を好み、根が長く濡れたままになるのは苦手。森の床は湿り気があっても、風が通り、水は流れていくからです。
幹が立ち上がるということ
セロームのもうひとつの面白さは、年月をかけて幹が立ち上がっていくことです。若いうちは地面から葉が噴き出すように見えますが、育つにつれて太い茎が立ち上がり、その先に葉を放射状に広げる姿になっていきます。
古い葉が落ちたあとの幹には、葉柄の跡が丸い模様として残ります。長く育てた株ほど、この模様が積み重なっていく。育てた年数が、そのまま姿になる植物です。
セロームの魅力はどこにある?
- 一枚ごとに違う葉の形:同じ切れ込みは二つとありません。
- 成長が早い:半年で見た目が変わります。育てている実感がある。
- 新しい葉ほど野性味が増す:切れ込みは育つほど深く、大胆になります。
- 丈夫さ:多少の日陰にも耐え、初心者でも育てやすい植物です。
育て方のポイント(数値でチェック)
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 原産地 | ブラジル南部、パラグアイの雨の多い森 |
| 置き場所 | ほどよい日光のあたる、風通しのよい室内。耐陰性もあるが、日光に当てたほうが株が健康に育つ |
| 水やり | 与えた水が1週間程度で乾くのが目安。長く濡れたままは苦手 |
| 耐寒性 | 8℃程度 |
| 苦手なもの | 水のやりすぎ、冬の冷え込み、長期の日光不足 |
セロームで気をつけたいのは、まず水のやりすぎです。回数ではなく、与えた水が1週間程度で乾くかを目安にしてください。窓を開けて空気を入れ替えるだけでも、土の乾き方が変わります。
もうひとつは冬の寒さ。耐寒は8℃程度で、観葉植物のなかでは寒さに敏感なほうです。冬の夜の窓辺は想像以上に冷えるので、部屋の内側へ移してあげてください。
よくある質問(FAQ)
Q. セロームとフィロデンドロンは同じですか?
A. かつてはフィロデンドロン属に分類されていましたが、現在は別属(Thaumatophyllum)に移されています。流通名の「セローム」は旧学名に由来するため、今もフィロデンドロンの仲間として紹介されることがあります。同じ植物です。
Q. 葉の切れ込みが浅いのですが、品種が違いますか?
A. 品種の違いではなく、株の若さです。セロームは若いうちは切れ込みが浅く、育つにつれて新しい葉ほど深く大胆になっていきます。待つ楽しみのある植物です。
Q. 初心者でも育てられますか?
A. はい。丈夫で成長が早く、変化が見えやすいので育てがいがあります。気をつけるのは水のやりすぎと、冬の冷え込みの2点です。
Q. 大きくなりすぎませんか?
A. 成長は早いですが、鉢の大きさである程度コントロールできます。大きくしたくない場合は、植替えのときに根を整理して同じ鉢に戻す方法があります。下葉を整理するだけでも、すっきり見えます。
Q. 植替えはいつ必要ですか?
A. 水の抜けが悪くなったとき、鉢底から根が出てきたときが目安です。土は年月で劣化するので、鉢を大きくしない場合でも、土を入れ替えるだけで株が元気になります。適期は暖かい時期(5〜9月ごろ)です。
Q. 葉が黄色くなりました。なぜですか?
A. 下の古い葉が1〜2枚黄色くなるのは自然な入れ替わりです。一度に何枚も黄色くなる場合は、水のやりすぎによる根腐れが多いです。土の乾き具合を確かめてください。
Q. 冬はどうすればいいですか?
A. 8℃程度を保てる室内で管理してください。冬の窓辺は冷え込むので避け、水やりも控えめにします。
GORI STORE TOKYOのセローム
今回GORI STORE TOKYOに入荷したセロームは、ハンドメイドの陶器鉢に合わせた一点物です。高さ約55cm・幅約36cm。大小さまざまな葉が重なり合い、野性味のある動きが出ています。

器は、波打つようなラインに赤・イエロー・ブルー・ホワイトが混ざり合った、ハンドメイド感のある一点。植物だけでは少し無機質になりがちな空間でも、この組み合わせなら器ごとインテリアとして楽しめます。

もうひとつ。成長が早いセロームのために、通常よりやや大きめの器に植え込んであります。年数がたってもこの鉢のままですごせます(土が劣化した場合は土を変える植替えが必要になります)。
→ 商品ページ:セローム × アフリカンポット(一点物)
→ 観葉植物一覧
※在庫1点限りの一点物です。売り切れの際はご容赦ください。
雨の多い森で光を取り、風を逃がす。そのために葉を切り裂いた。理由がわかると、あの形がまったく違って見えてきます。
GORI