こんにちは、GORIです。
ずんぐりと太った幹から枝が伸び、その先で葉がくるり、くるりと巻いている。今日ご紹介するアデニウム・アラビカム 獅子葉(ドーセットホーン)は、植物というより小さな彫刻のような姿をしています。なぜ幹はこんなに太るのか。なぜ葉は巻いているのか。その理由を知ると、この植物の育て方まで見えてきます。
以前のGORI日記にも書きましたが、私はマダガスカルのバオバブが大好物です。あのシルエットを日本の部屋で楽しみたいと探していたときに出会ったのが、アデニウムでした。そんな思い入れのある植物の話です。
アデニウム・アラビカム 獅子葉とは?
アデニウム・アラビカムは、学名 Adenium arabicum、キョウチクトウ科アデニウム属の塊根植物(コーデックス)です。アデニウム属は花の美しさから「砂漠のバラ(デザートローズ)」と呼ばれ、なかでもアラビカムは幹がずんぐりと太く、低く力強い株姿になりやすいことで人気があります。
名前を整理しておきます。
- アデニウム・アラビカム:種の名前。アラビア半島に自生することから。分類上はアデニウム・オベスムの仲間として扱われることもあります。
- 獅子葉(ししば):葉が縮れてくるりと巻く姿を、獅子のたてがみに見立てた園芸上の呼び名。
- ドーセットホーン(Dorset Horn):海外での呼び名。渦を巻く角を持つ羊の品種名にちなんで名付けられたと言われています。
つまり「アデニウム・アラビカムのうち、葉がくるりと巻くタイプ」が獅子葉、ドーセットホーンです。

なぜ、幹がこんなに太るのか?
答えは原産地にあります。
アデニウム・アラビカムが自生するのは、アラビア半島の南西部、イエメンからサウジアラビアにかけての海に近い乾燥地です。強い日差しが照りつける花崗岩の岩場や崖のすき間に根を張っています。アデニウム属の仲間は、紅海をはさんだ対岸の東アフリカにも広く分布しています。

土が浅く、雨はめったに降らない。降ってもすぐに岩の間から流れ去ってしまう。そんな場所で生きるために、この植物は幹そのものを「水の貯金箱」にしました。雨が降ったときに幹へ水と養分をため込み、乾いた季節はその蓄えで乗り切ります。
あのずんぐりとした幹は、飾りではありません。乾いた岩場で生き抜くための答えです。だからこそ、水を与えすぎると幹の中が傷みやすい。「土がしっかり乾いてから、さらに数日待つ」という水やりのコツは、この暮らし方から導かれています。

なぜ、葉がくるりと巻いているのか?
一般的なアデニウムの葉は、平らで細長く、つやのある形をしています。獅子葉は、その葉が縮れてくるりとカールする性質をもったタイプです。野生の姿というより、人がその個性に惹かれて大切に殖やしてきた園芸のかたちと言えます。
葉が大きく広がらないぶん、枝先ごとに小さく密に集まり、まるで小さなブーケが並んでいるように見えます。そして葉の陰に隠れがちな幹や枝の形がよく見える。塊根植物の楽しみである「幹を眺める」ことと、葉の造形の面白さを、一株で両方味わえるのが獅子葉の魅力です。
秋から冬は「休む季節」。葉が落ちても慌てない
この記事を公開した10月は、アデニウムにとって大切な切り替えの時期です。
原産地には、雨の少ない厳しい季節があります。アデニウムはその時期に葉を落として水の消費を抑え、幹の蓄えでじっと休む性質をもっています。日本では、気温が下がる秋から冬にかけて、同じように成長がゆるやかになり、葉を落とすことがあります。
- 10月ごろから:水やりの間隔を少しずつ空けていきます。
- 冬(気温が下がったら):8℃以上を保てる室内の、日当たりのよい場所へ。水は乾燥気味に。
- 葉が落ちたら:休眠のサイン。ほぼ断水気味にして春を待ちます。
- 春に暖かくなったら:新芽が動き出したのを確認してから、少しずつ水やりを再開します。
葉が落ちると「枯れたかも」と心配になりますが、幹を軽く押してしっかり硬ければ大丈夫。休むことも、この植物の生き方の一部です。
アラビカムとオベスム、何が違う?
どちらも「砂漠のバラ」と呼ばれるアデニウム属の仲間です。よく流通するオベスムに比べて、アラビカムは幹がずんぐりと太く、低くどっしりとした株姿になりやすいのが特徴です。背丈を伸ばすより、幹の存在感を楽しみたい方にはアラビカムがおすすめです。
育て方のポイント
| 原産地 | アラビア半島(南西部のイエメン・サウジアラビア)。アデニウム属は東アフリカにも分布 |
|---|---|
| 置き場所 | 日当たりのよい場所、風通しのよい場所 |
| 水やり | 土がしっかりと乾いて、さらに数日置いてから与える。冬は乾燥気味、落葉したらほぼ断水気味に |
| 耐寒性 | 8℃以上 |
| 苦手なもの | 寒さ、日照不足、湿ったままの土 |
| 注意 | 樹液に毒性のある成分を含む。お手入れ時は手袋を |
よくある質問(FAQ)
Q. 初心者でも育てられますか?
A. はい。ポイントは「日当たり」「水を控えめに」「冬は暖かく」の3つです。失敗の多くは、水のやりすぎと寒さによるものです。
Q. 水やりの頻度は?
A. 回数ではなく土の乾き具合で判断します。土がしっかり乾いてから、さらに数日置いて与えてください。
Q. 幹がぶよぶよと柔らかくなってきました。
A. 水のやりすぎや低温で、幹の中が傷んでいるサインの可能性があります。水やりを止めて暖かく明るい場所へ移し、様子を見てください。
Q. 室内で育てられますか?
A. 育てられます。できるだけ日当たりのよい窓辺に置いてください。日照が足りないと枝が間延びしやすくなります。暖かい季節は屋外の日なたで管理するのもおすすめです。
Q. 花は咲きますか?
A. 株が充実すると、暖かい季節に花を咲かせることがあります。「砂漠のバラ」の名前どおり、咲くと幹とのコントラストが見事です。
Q. ペットや小さな子どもがいても大丈夫ですか?
A. アデニウム属の樹液には毒性のある成分が含まれます。ペットや小さなお子さまが口にしない場所に置き、枝を切るときは手袋をして、樹液に触れたら手を洗ってください。
Q. 花言葉はありますか?
A. アデニウム(砂漠のバラ)の花言葉は「一目惚れ」「純粋な心」とされています。
GORI STORE TOKYOのアデニウム・アラビカム 獅子葉
今回GORI STORE TOKYOに入荷したのは、しっかりと育った太い幹が印象的な一株です。根元が分かれて大地をつかむような立ち上がりから、くるりと巻く獅子葉が放射状に広がります。高さ約28cm・幅約16cm、受け皿付き。

合わせたのは、鉄を思わせる重厚な光沢と、ざらりとした凹凸をもつ無骨な陶器鉢。すべすべとした有機的な幹と、硬質な器。このコントラストで、植物の造形がぐっと際立ちます。インテリアの中で存在感を放つ「植物のオブジェ」として楽しんでいただきたい一鉢です。

→ 商品ページ:アデニウム アラビカム 獅子葉 × 無骨な器(一点物)
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※在庫1点限りの一点物です。売り切れの際はご容赦ください。
乾いた岩場で、幹に水を蓄えて生きてきた植物。その理由がわかると、あのずんぐりとした姿が、いっそう愛おしく見えてきます。
GORI