こんにちは、GORIです。
青山の路地を少し入ったところに、根津美術館はある。
竹垣に沿った石畳を歩いていると、もうその時点で東京であることを忘れかける。木漏れ日が地面に模様を描いて、遠くから水の音が聞こえてくる。
館内では開館85周年記念特別展「光琳派 — 国宝『燕子花図』と尾形光琳のフォロワーたち」が開催中だ。
メインの燕子花図屏風を前にしたとき、思わず立ち止まった。
金地に、ただただ紫のかきつばた。葉も、花も、余計なものをすべて削ぎ落として本質だけを残したような構図。300年以上前に描かれたとは思えない、圧倒的なモダンさがある。しばらく動けなかった。
庭に出ると、現実のかきつばたが出迎えてくれた。
茅葺きの茶室を背景に、紫の花が視界いっぱいに広がっている。苔むした瓦、岩の間を縫う小さな流れ、池に静かに映り込む緑。
着物姿の人が花畑の前に立って写真を撮っていた。それもまた絵になっていて、思わずシャッターを切った。
光琳が300年前に見ていたであろう紫が、今もここに咲いている。絵と現実がつながる瞬間って、こういうことを言うんだと思った。
会期は5月10日(日)まで。
かきつばたの見頃もちょうど今。急いで。
GORI