東京の木陰が消えている、街路樹50万本減、世界と逆行する日本の緑【GORI日記】

東京の木陰が消えている、街路樹50万本減、世界と逆行する日本の緑【GORI日記】

こんにちは、GORIです。

夏、外を歩いていて「木陰がない」と感じたことはありませんか。

気のせいじゃありません。本当に消えています。


9年で、東京ドーム256個分の木陰が消えた

東京大学の研究によると、東京23区の樹冠被覆率(木の枝葉が地面を覆う割合)は、2013年の9.2%から2022年には7.3%に低下しました。

たった9年で、12平方キロメートルの木陰が消えた計算です。東京ドーム256個分。

住宅地で3割減、道路で2割減。数字として見ると、あらためて衝撃を受けます。


世界と比べると、東京の「緑のなさ」が際立つ

都市 樹冠被覆率
ニューヨーク 23.4%(2021年)
シドニー 19.8%(2022年)
パリ 17.6%(2025年)
フェニックス(砂漠の街) 11.0%(2024年)
東京23区 7.3%(2022年)

砂漠の中にあるフェニックスにさえ負けています。

パリやニューヨークが緑を増やすために本気で投資している一方で、東京は減り続けている。完全に世界と逆行しています。


なぜ木陰が消えるのか

理由① 相続による庭木の伐採

日本は今「多死社会」に入っています。死者が増え、不動産相続が急増。相続した土地を細分化して売る、集合住宅を建てる——どちらの場合も、庭木は真っ先に切られます。

住宅地の木陰が3割減った最大の理由がこれです。

誰も悪意を持って切っているわけじゃない。でも、結果として緑が消えていく。

理由② 管理コストの問題

国内の街路樹はピークの2002年(679万本)から2022年には629万本へ、50万本減少しました。

さいたま市では街路樹の管理に年間9億円かかっており、「予算の都合で伐採しても植え替えないことがある」と担当者が明言しています。

理由③ 「小さい木」への植え替え

この30年で3倍に増えた街路樹がハナミズキです。成長が遅く、剪定コストが低い。でも木陰は小さい。

管理しやすさを優先した結果、街の緑量は減り続けています。


木を増やすと、気温が下がる

カナダの研究では、気温29℃超の地点で木陰を1割増やすと0.8℃、3割増やすと1.5℃の冷却効果があるというデータが出ています。

エアコンの室外機を増やして都市を冷やすより、木を増やして木陰をつくるほうが、はるかに持続可能です。

木は気温を下げるだけでなく:

  • 水を蓄えて防災に役立つ
  • 景観を豊かにして都市の価値を上げる
  • CO₂を吸収して気候変動を緩和する
  • 人の心を落ち着かせる

これを「グリーンインフラ」と呼びます。コンクリートのインフラと同じように、木を都市のインフラとして捉える考え方です。


世界の都市は本気で動いている

  • パリ: 2030年までに市内の3割を緑地にする計画
  • ニューヨーク: 樹冠被覆率を2040年までに30%に引き上げる目標
  • ロンドン・その他欧州都市: 民有地でも樹木の伐採を制限する規制を導入

日本では「啓発活動が中心で、広く浸透しているとは言い難い」と専門家が指摘しています。


花屋として、黙っていられない

正直に言います。

花屋として、植物を扱う仕事として、この数字は他人事ではありません。

木陰が減るということは、植物が減るということ。植物が減るということは、街から生命感が失われるということ。

花を飾ることも、木を植えることも、本質は同じだと思っています。人の暮らしの中に、植物を置く。それだけで、景色が変わる。気持ちが変わる。

相続で庭木が切られるたびに、何十年分の時間が失われます。木は植えてすぐには育たない。今切ると、取り返しに10年20年かかります。

東京の木陰が今より増える未来を、諦めたくない。

まず自分の周りから。花を置く、木を育てる、緑を増やす。そういう小さな積み重ねが、街を変えると信じています。

GORI

 

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