こんにちは、GORIです。
ベルギーの首都ブリュッセルで、とんでもないものが出来上がりました。世界遺産の広場グランプラスの石畳に、葛飾北斎の「大波」が現れたのです。それも絵の具ではなく、約75万本のダリアで。「フラワーカーペット(花のじゅうたん)」と呼ばれるこの花の大作は8月13日に完成し、本日16日まで公開されています。今年は日本とベルギーの国交樹立160周年。その節目に、世界で最も有名な日本の絵が、花になって石畳の上によみがえりました。花で生きる私にとって、こんなに胸が熱くなるニュースはそうありません。
フラワーカーペットとは?どんなイベント?
フラワーカーペットは、ブリュッセルの世界遺産グランプラスの石畳に花を敷き詰め、広場全体をひとつの巨大な絵に変えるベルギーの名物イベントです。始まりは1971年。以来半世紀を超えて続き、今回で24回目を数えます。1986年以降は2年ごとの開催が恒例で、途切れたのは新型コロナの世界的流行で中止となった2020年だけ。世界中から観光客が集まる、まさに「花の祭典」の代表格です。
なぜ今年は北斎の「大波」なのか?
今年の絵柄は、「グレートウエーブ(大波)」の名で世界的に知られる葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」がもとになっています。理由は、2026年が日本とベルギーの国交樹立160周年にあたるから。両国の友好の節目に、日本美術の象徴ともいえるあの大波が選ばれたのです。
デザインを手がけたのは、京都芸術大のヒロ杉山教授。面白いのは、波の絵なのに赤やピンクといった暖色が基調になっていることです。教授は、暖色は幸せな気持ちを呼ぶ色であり、見た人が幸せになるようにとの思いを込めて選んだと語っています。青い波を、あえて暖かい色で描き直す。原画への敬意と、花ならではの表現。この采配には私も唸りました。
75万本のダリアで描く花の絵は、どれほどの規模?
数字で見ると、その迫力が分かります。
- 使用する花:ダリア 約75万本
- 大きさ:横70メートル × 縦24メートル(約1,680平方メートル)
- 設営:8月13日早朝から、ベルギー在住の日本人を含む約150人のボランティアが従事
花屋の目で言わせてもらうと、これはとんでもない仕事です。花の位置と色合いをひとつずつ合わせながら、たった一日で広場一面に敷き詰めていく。設営に参加した14歳の日本人ボランティアの方も、簡単そうに見えて位置や色合いへの気配りが想像以上に難しい、と話していたそうです。炎天下でこの精度。段取りとチームワークの勝利です。私はイベント装花で会場を花で埋める仕事もしていますが、この規模を前にしたら、ただただ脱帽するしかありません。
なぜダリアなのか?花屋が見るポイント
フラワーカーペットといえば、かつてはベゴニアが主役でした。近年はダリアが主流になっています。ダリアは色数が圧倒的に豊富で、赤・ピンク・オレンジと暖色のグラデーションを細かく刻めるので、絵を描くには打ってつけの花なのです。ポンポン咲きのダリアの、あのズングリむっくりした丸い花姿が隙間なく並ぶと、遠目には本当に絵の具を置いたように見える。私はダリアの力強い咲きっぷりが大好物でしまして、75万本のダリアが描く大波を想像するだけで、背筋がびしっと伸びます。
花は咲いたら終わりではなく、束ねて、飾って、並べて、人の心を動かす仕事ができる。その最高峰のひとつが、このフラワーカーペットだと私は思います。北斎の波が花になって、日本から9,000キロ離れた石畳の上で人々を幸せにしている。同じ花の仕事に生きる者として、これほど誇らしいことはありません。
よくある質問(FAQ)
Q. ブリュッセルのフラワーカーペット2026はいつまで見られますか?
2026年8月13日から16日までの4日間、ブリュッセルの世界遺産の広場グランプラスで公開されています。
Q. 2026年のフラワーカーペットの絵柄は何ですか?
葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(通称グレートウエーブ/大波)をもとにした絵柄です。日本とベルギーの国交樹立160周年を記念して選ばれました。デザインは京都芸術大のヒロ杉山教授が担当しています。
Q. 花は何を何本使っていますか?大きさは?
約75万本のダリアを使用し、大きさは横70メートル、縦24メートルです。波の絵ですが、見た人が幸せになるようにとの思いから、赤やピンクなど暖色が基調になっています。
Q. フラワーカーペットはいつから続くイベントですか?
1971年に始まり、今回で24回目です。1986年以降は、新型コロナで中止となった2020年を除き、2年ごとに開催されてきました。
花には、国境を越えて人を幸せにする力がある。今日も、あなたの一日に緑と花がありますように。
GORI