2025年、日本の賃上げは続くのか?

2025年、日本の賃上げは続くのか?

こんにちは、GORIです。

2025年の春闘、全体としての平均賃上げ率は5.49%。これは前年とほぼ同じ水準で、バブル期以来の高水準をなんとか維持しているようです。とはいえ、内容を細かく見ていくと、業界ごとに明暗が分かれた印象です。

特に注目したいのは製造業の鈍化。これまで賃上げを引っ張ってきた存在でしたが、今年は中国経済の減速や原材料高の影響で減益となり、賃上げ率も前年の6.11%から5.72%へと後退。鉄鋼業界では目立った落ち込みがあり、JFEスチールではなんと前年の12.47%から6.57%へと賃上げ率がほぼ半減しました。

一方で、非製造業は堅調。不動産や陸運、建設、そして外食などでは需要増に伴い賃上げが拡大。たとえば、建設業界では竹中工務店が8.75%の引き上げを実施、すき家を展開するゼンショーHDは11.23%アップ&大卒初任給31.2万円と、他業界を驚かせる内容になっています。

背景には、「物価高」や「人手不足」が大きく影響しており、企業も人材流出を避けるべく“防衛的賃上げ”を進めている様子。

ただし、これはあくまで大企業の話。中小企業では、利益の大部分をすでに人件費に振り向けており(労働分配率75.4%)、これ以上の賃上げには限界があるという指摘も。しかも、物価高には追いつかず、実質賃金は3年連続マイナスという現実…。

今年も賃上げは「やらざるを得ない」圧力の中で進んでいますが、企業体力には限りがあります。選択と集中、そして賃上げの“メリハリ”が試される時代に入っているのかもしれません。

2025年、賃上げの波に乗るのか、足元を見直すのか。私たち経営者にとっても、冷静な舵取りが求められる一年になりそうです。

GORI

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