「非常識」から生まれる可能性 〜花屋と高校野球の共通点〜

「非常識」から生まれる可能性 〜花屋と高校野球の共通点〜

こんにちは、GORIです。

春の繁忙期、全国の花屋さんは今日も大忙し。送別や入学・入社シーズン、新年度のお祝いなどが重なり、お花の需要はピークを迎えています。
もちろん、このタイミングで多くの人に花を届けられるのは喜ばしいことですが……業界人として、あえて本音を言います。

 

経営の観点で言うと、答えはNO。

なぜなら、この時期は花の仕入れ価格が高騰するし、需要過多で品質も落ちがち。正直、繁忙期だからと言って「儲かるか」といえば、そうでもないんです。

だからこそ、GORIが本当に目指したいのは「普段の日に、植物や花を選んでもらえる文化」。

Living with plants(植物と共に生きる)
このコンセプトをもっと日常に浸透させていきたい。花を贈るのは特別な日だけじゃなく、何でもない日の「ありがとう」や「お疲れさま」にも使ってほしい。そんな願いを込めて、今日も花屋として頑張っております。

 

そんなことを考えていた朝、ふと目にした新聞記事に心が震えました。

花巻東高校野球部監督・佐々木洋さんのインタビューです。
あの大谷翔平選手や菊池雄星選手を育てた名監督でありながら、彼の育成法は「非常識」に満ちていました。

「非常識と思っている方が非常識だ」

この言葉、深く刺さりました。
二刀流の大谷選手を否定する声も多かった中で、「常識を疑うこと」からすべてが始まった。これって、僕たち花屋や小さな事業を営む者にも通じる話だと思うんです。

佐々木監督は、「野球からよりも、経営や異業種から多くを学んだ」と言います。
特に印象的だったのは、監督就任当初に恩師からかけられた「経営を学べ」というひと言。
そこから、彼は生徒=顧客と捉え、「出口(未来)から逆算した育成」に切り替えたそうです。

「甲子園に行くことがゴールではなく、その後60年以上の人生をどう生きるかが大事」

花屋として、まさに同じことを感じています。
「母の日」「お盆」「お彼岸」などの物日に頼る経営ではなく、「普段の暮らしの中に花を取り入れる」ことを文化にするにはどうすればいいか? その問いに日々向き合っています。

 

そして、この記事の中で、僕が一番共感した言葉があります。

「日本は減点法で、米国は加点法」

日本は、人の「できないこと」や「欠点」を見つけて減点していく文化が強い。
でも、僕自身、完璧じゃない。
完璧な人なんていない。

だからこそ、僕はスタッフにも自分自身にも「いいところを見つける」ことを大切にしています。
どんな小さなことでも「できたこと」「得意なこと」を見つけて、そこを褒め合える空気感。
それが、心地よく働ける花屋でありたいし、温かさのあるお店でありたいと思っています。

 

記事では、目標設定の大切さについても多く語られていました。

たとえば佐々木監督は、選手に「マンダラチャート」という目標シートを書かせるそうです。大谷選手も実践していたもので、中心に夢や目標を書き、その周囲に中間目標や行動を書き込んでいく。

これを読んで、「ああ、僕も自分なりのマンダラチャートを描こう」と思いました。

中心には、「植物と共に生きる文化を広める」。
周囲には、普段使いできる花の提案、子どもたちへの花育、空間デザインとしてのグリーン、学びの場の創出……いろんな項目が思い浮かびます。

 

最後に、記事の中で紹介されていた佐々木監督の好きな言葉をご紹介します。

「人生の悲劇は目標を達成しないことではなく、目標を持たないことである」
― ベンジャミン・メイズ(米国の教育者)

まさに、今の自分に必要な言葉でした。

忙しさに流されがちな日々の中でも、目指す場所を見失わずに進むこと。
そして「非常識」を恐れず、常識を疑い、自分らしく花のある暮らしを伝えていくこと。
この春、また新しい気持ちで店に立てそうです。

Living with plants
花とともに、想いとともに。

GORI

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