こんにちは、GORIです。
先日、知り合いの社長様よりご紹介いただき、赤坂にあるフレンチレストランへ装花のご提案に伺ってきました。
まず驚いたのは、お店に“看板がない”という大胆なスタイル。そして一日1組限定という、まさに特別感の塊のようなお店。扉を開けた瞬間から、シェフのこだわりがすべての空間に宿っているのが伝わってきました。
器、家具、置かれた小物に至るまで、どれも一切の無駄がなく、静かに主張する美しさ。その世界観の中で私がお手伝いするのは、あくまでも「料理を引き立てる装花」。主役はあくまでお皿の上の作品であり、その余白に季節の表情をそっと添えることが私の役目です。
今回は、福島県いわき市から取り寄せた“山採りの紅葉ドウダン”を、エントランスに飾らせていただきました。
自然の力だけで育った枝ぶりは、どこか野性味がありながらも繊細で、秋の深まりを静かに語りかけてくれます。お店に入る前にお客様が季節の風を感じ取れるよう、あえて枝の動きを活かした生け方に仕上げました。
装花をしながらふと思ったのですが、意識が高い方——料理、ファッション、文化、そして生き方にこだわりを持つ人ほど、植物を必要としている気がします。
植物は“余裕”や“豊かさ”を視覚化してくれる存在。空間にひと枝、ひと花あるだけで、その場所の空気が変わり、人の心まで整えてくれる。そんな力を改めて感じた一日でした。
またこのような素敵なご縁を大切にしながら、季節を届ける装花を続けていきたいと思います。
GORI