こんにちは、GORIです。
最近「親が都会に移り住むことを考えていて…」というお客様からの会話が増えています。花屋という仕事柄、幅広い年代の方とお話しする機会が多いのですが、親世代の暮らし方や住まいの選び方が、この10年で大きく変わってきたと感じます。
特に印象的なのは、75歳以上の後期高齢者の“都市移住”が増えていること。
医療機関が充実していて、買い物がしやすく、子どもや孫の近くに住みやすい……そんな理由から、「終の棲家」を地方から都市へ移す方が増えているようです。
花屋で仕事をしていると、
「親が近くに引っ越してきたので、面会のついでにお花を…」
「施設に入居した父に季節の花を届けてほしい」
といったご依頼も少しずつ増えてきました。
都会に出る理由のひとつは、医療・介護へのアクセス。
地方では病院や介護事業所が減ってしまい、思うように支援を受けられない地域も多いと聞きます。雪かきや買い物の負担も大きく、元気なうちに便利な場所へ移るという選択は、確かに現実的なのかもしれません。
さらに最近は、“子どもの近くに呼び寄せる”ケースもよく耳にします。
遠方の親を心配しながら日々を過ごすより、いっそ近くで見守れるほうが安心。
これは親世代にも子世代にもメリットがありますよね。
ただし都市移住が増える裏側では、受け入れ側の街が介護人材や住まいの不足に直面するという課題もあります。
街づくりそのものを「福祉」の視点で考えていくことが、これからますます重要になっていくのでしょう。
私自身、日々植物を通じて「人がどう暮らしていくか」を見つめる機会が多くあります。
お花や緑は暮らしを整え、気分を明るくしてくれる存在。
人生のどんなステージでも、心が落ち着く環境づくりが大切だと改めて感じます。
親の暮らし、家族との距離、自分自身のこれからの生き方。
都市移住のニュースは、そんな身近なテーマを考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
今日も、誰かの暮らしをそっと支える一本の花を届けていきたいと思います。
GORI